顔合わせの目的
みんなで結婚の意志を確認して、結納・入籍・披露宴・結婚式・一緒に住むタイミングなどの大まかなスケジュールを決めることが大きな目的だった。僕の両親と彼女の両親の顔合わせは、この目的を達して無難に終わった。一応。
*両家の顔合わせをしたよ
一応と言うのは、その後、僕の親がゴネたからだ。そして紛糾した。どうも顔合わせの場が祝いの場であるから、表面上平穏を取り繕おうとしていたようなのだ。だから不満があっても口にしなかった。そのままずっと口にしないならいいのだが、決まった後で決定したことを覆そうとしてきたのだ。僕としては別にどんな場だろうが、この面子ならば取り繕う必要もないと考えていたし、距離の問題もあって全員が一同にそろうのは難しいのだから、決めるべき事をしっかり決定したつもりだったのだが、そうではなかった。この認識の違いのおかげで苦労することになった。
僕の両親の頭の中は、いわゆる長男の嫁を迎える、と言うことしかなかったのだ。しかし僕と彼女は、そんな結婚ならするつもりはなかった。そしてその意思を、顔合わせの結納・入籍・披露宴・結婚式について話し合ったときに表明して了承してもらったつもりだったのだのだが、まったく届いていなかった。これに関しては本当に失敗した。
結納の相談
僕の両親はやりたがっていたが、彼女のご両親がお気遣い無用、と言うことで話がついた。渋々ながら僕の両親は折れていた。
最近はやらないことが多いようだ。話し合いで合意さえすれば、どちらでも良いと僕も思う。僕も彼女も、特段必要としない形式は省きたい思惑もあって結納は無しにした。代わりに家族で食事会をすることを決めた。
一緒に住むタイミングの相談
僕の親は、結婚式後に一緒に住む事を望んでいたが、入籍の後と言うところで譲歩してもらった。しかし、後で不満であった事を僕の両親が伝えてきている。しかも、彼女の両親がそれでよいといっているのに覆そうとしてくる。それには何か理由があるのだろうと思っていたが、単に自分達の世間体が悪いと感じていただけのようだ。
以前のエントリでご意見を頂いたが、ちゃんとしたステップを踏むと、女性の両親としては「大切にされている」と感じるようだ。
顔合わせで入籍の日取りの相談
彼女の引越しの前ならいつでもいいよ、と言うことで覚えやすい日にした。本当に無風だった。誰も興味がなかったのかもしれない。
結婚式・披露宴の相談
結婚式はやるつもりはなかった。「こだわりが合って準備が大変になるのが分かっているから結婚式やりたくないんだよ。」とは顔合わせ前のオクサマの言。しかし、顔合わせの際の、記念のためにと言う僕の両親の言葉に、オクサマも僕も納得して結婚式を入籍後に準備することを決めた。
そして、結婚式の大まかなスケジュールを決めて、披露宴はやらない話にした。場所は東京で考えている事を双方の両親に了承をもらう。しかし、その後は前述の通り。結局東京で結婚式、僕の地元で披露宴をしたが、この経緯はまた別のお話として。
*結婚式をオクサマと振り返ってみたよ
こっそり貯金の確認
顔合わせの辺りから、本格的にお金がかかる話が始まる。僕らは自分達のお金でできる範囲で身の丈にあった結婚をすることに決めていた。親の援助無しで結婚する事を二人で話し合ったのだ。人それぞれだろうけれども、僕も彼女もこの点に関して一致していた(親戚などから頂いたお祝いはありがたく受け取ったものの、そのまま親に渡したり、手をつけずにそのままにしてある。)。
そして、顔合わせの前に、お互いの貯金を確認した。確か二人で400万位と正直貯金がなかった。この時点では、新居諸々で120万円、結婚式で100万円かかりりそうだと考えていたので、200万円ほど残る目算だったがこの金額はちょっと心もとなかった。結婚をしたら一人分の手取り年収くらいは貯金を確保しておかないと、病気や妊娠などで一人が働けない事態になったときに困る。せめてもう300万貯金をしておくべきだったと感じたのを覚えている。
ちなみに、実際の費用は、新居諸費用(
家賃6か月分+家具家電雑貨+引越し)が大体130万円、
結婚式費用が150万円だった。
もし僕と彼女が一般的な形式にのっとって結納をしていたなら、ここにさらに結納金90万円が必要だった。結納金の意味を考えるのならば、女性が新生活を準備するのに必要な金額+結納返し相当分と言うことになる。僕らの場合、新居諸費用の見積を折半した60万円と、結納返しの時計30万円(仮定)を加えれば合計90万円くらいになっていたということだ。
結婚の話をしていると、どっちを向いても大きなお金が動く。顔合わせの前にはお互いの貯金を確認して、もし必要であれば顔合わせの場でお金の話をしておいた方が動き始める上でスムーズだと感じる。生々しい話だけれど、いざ結婚式場を決めたのに当てにしていた親の援助がなかったという事態になるよりは、ずっと建設的だと感じる。最初からそういう話をすることがためらわれるなら、二度三度顔合わせをすることが必要だろうとも思う。
僕らの場合は、顔合わせではお金の話はしなかったのだが検討項目を挨拶に行ったときに双方に伝えておいた。ただ僕の親を見る限り、それでもうまくいかなかない例もある。
今後に向けて譲歩を引き出す交渉術習得の勧め
僕と彼女、彼女の両親とは、顔合わせのときの話し合いを通すことで、結婚に対してほぼ一致した認識を形成することができた。しかし、僕の親はそうではなかった。
なにせ話が具体的になるにつれて、ころころ言うことが変わる。今振り返ると、僕の親は、結納と披露宴をやらないという決定、それと結婚式の場所と一緒に住むタイミングに不満があったことを伝えてきている。何だ、入籍以外は全部じゃないか、と言うことになる。そして話し合っても話し合っても、妥協点が見えない。そのときはこちらが妥協しても、向こうが譲らないのでものすごく苦労したのを覚えている。
でも実は、僕も失敗していのだ。夏に他の件で話し合いが難航して直接話をしに行ったときにそのことを理解した。このとき、それまで難航していた内容が、同じ話を対応を変えて話をしたら親は納得したのだ。それまで僕は『自分は正しい、自分は間違っていない』と思って話をしていた。最初の顔合わせで決定したんだから、とそれを押し付けていたのだろうと思う。いや、決定事項がある以上確かに正論だったのだけど、正論は人に届かないのだ。山田ズーニーも言っている。誰だ。
僕のコミュニケーションスキルが低いせいだろうが、結婚式の準備をする中でようやく気がついた。相手の話に一定の理解を示しつつ、ホスピタリティを意識した対応を心がけると相手は納得して要求を収めることが多い。結婚式もいろいろな人間の思惑が絡むために、全ては思い通りに行かない。丸腰だと年上の経験豊富な親が相手では交渉は難航する。自分達の望む方向へ話を進めるには、その手段を身に付けている必要がある。僕は、そんな経験をした。
念を押しておくと、これは親との結婚のスケジュールや、結婚式の打ち合わせの話である。ビジネスの話ではない。ただ、親との話し合いがうまくいかない話は、僕の周りでもよく聞く。
ちなみに、顔合わせのときの決定事項はメールにして携帯に送ったのだが、メールが保存上限を超えて消えて証拠がなくなったのを見計らったかのように、親は決定を覆し始めようとした。僕はその事が頭に残っていたため、最近まで顔合わせでの決定を文章に残さなかったために苦労したのだと思っていた。でも、違う。どんなに手を尽くそうとも、絶対に「そのときはそう思って納得したけど、よく考えたら違うと思った。」といって覆してくるのだ。実際僕はそう言われた。
なお、特にこだわりがないか、自分達が考える結婚のありようと親の望むものが同じ方向である場合には、こんな苦労はしなくてよいのは、言うまでもない。コミュニケーションスキルが豊富である人もそうだ。