どう考えても、僕と彼女は持っている本が多い。
僕は雑誌とか漫画はほとんど持っていないので300冊くらいしかないのだが問題は彼女だ。
彼女はカラーボックス3箱分くらいの本を持っている。しかも溢れている。その上雑誌が山積みになっている。数えるのはあきらめた。
カラーボックスは1箱あたり3段あって、1段に文庫本が80冊は入っていそうだ。専門書などの大判サイズもあるので概算で600冊くらい。
よく床が抜けないもんだ、とあらぬ方向で感心していたら、まだ収納の中に本と雑誌があるよ、と恥ずかしそうに告白されたよ。
そんなドッキリはいらない。
僕も彼女も引越し前にいらない雑誌とか本は処分することにしたけれど、いずれにしても今僕が持っている本棚には収まりきらないので二人の本を収納するための本棚をネットで物色することにしたよ。
しかし、彼女の注文は細かく、なかなか望みのものは見つからない。
見た中では
この本棚が一番よさそうだけれど、奥行が18cmと小さいのが不満らしい。
当分は部屋を借りて住むわけで、部屋を変えたときに入らないと困るから立派なものは買えないし、本が多く入るシンプルで手ごろなものを探すとなると選択肢が限られるから少しはみ出る本が合っても仕方ない、これで奥行きが30cmになると部屋が圧迫されるよと言ったけれど、彼女は納得がいかないようだった。
まだ先の話だからもう少し探してみることにしたけれど、僕が妥協を促したのが気に入らなかったようで、ちょっと険悪な雰囲気になった。
いつか家を建てる時にはビルトインの本棚を作ろうね、と話題を変えた。
彼女はウォークインクローゼットも欲しい!と言った。
どうやら機嫌が直ったようだよ。