砂抜きが終わったころにちょうどオクサマが仕事を終え帰宅したのでハマグリを炒め、バジルとパスタと和えた。用意していたモッツアレラチーズとトマトのサラダ仕立て、キャベツのコンソメスープとあわせてテーブルに用意する。
しかしオクサマが申し訳なさそうな顔をしている。僕はオクサマが貝の食感が苦手だったことを思い出す。『ひな祭り→ハマグリ→パスタ→イタリアンっぽく→オクサマの好きなモッツアレラチーズでサラダ』という献立計画が初手から失敗していたのだ。
手が止まる。別の献立を頭の中でめぐらせる。そんな停止している様子を見てオクサマは「貝のエキスは好きだから大丈夫だよ!」とフォローしてくれた。僕はすっかり忘れていたことを詫びながら、ハマグリをよけて準備を終えた。
オクサマは「うううううまーい」と食べてくれた。失敗したけれど好意的な反応がもらえるとやっぱり嬉しいし、次はうまくやれるように努力したくなる。
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