家電量販店のギフトラッピングなのでオクサマには中身はバレバレだ。目をみはりながら「オクサマの!?オクサマの!?」と大喜びするので「そう、あさってからはね」と意地悪く笑って見せた。
オクサマは口を尖らせながら、僕をじーっと見つめる。しばらく考えながらどうやって奪い取るか考えていたのだろう、「そういえば我が家は笑わせたら勝ちだったよね!」「頑張る!」と突然僕に勝負を挑んできた。
なぜホワイトデーのプレゼントを前倒しに受け取ることに同意していないのに、笑わせたら可能になるのか僕にはまったくわからない。無から有に転じさせるオクサマの理不尽さに大笑いした僕は、負けた。