「オクサマだろ、ツマ子だろ、チョロ松だろ、ヤサ・グレ子だろ、ワガ・ママ子だろ……」
僕は普段オクサマを名前で呼んでいるのだけれど、その時々の様態にあわせて呼び名を変えることがある。ちなみに『チョロ松』は「紅茶を淹れるだけで機嫌を取れるなんてオクサマはあまりにチョロイ、チョロイな!チョロ松だな!」「ああそうさ、チョロイさ!チョロ松だとも!だからもっと淹れて!」という会話に由来している。
「だけどろくな呼び名がねー!」
僕が、「ほら、美人って言うこともあるじゃないか」と嘆くオクサマをフォローすると「違う、あれは傍若無人って言ってる!しかも無人を美人とも取れるような微妙な発音で!」と頬を膨らませた。