
結婚した時に購入した家具家電は、本棚、ソファ、冷蔵庫、乾燥機付洗濯機くらい。結婚式が終わってから、二ヶ月に一回くらいの頻度で、テレビ台、キッチンカウンター、ダイニングテーブル・チェア、電子レンジ、ベッド……と、二人で必要なものを吟味しながら買い換えている。いまだに欲しいと思っているものはすべてそろっていない。
次の購入対象は僕の勉強机だ。以前使っていた机は僕が5年ほど前に購入したものだったけれど、引越しの際にサイズを考えてダイニングテーブルと一緒にリサイクルに出している。そのため引越以降は部屋の端っこでカラーボックスをそれらしく使っていたのだが、とうとう順番が回ってきたのだ。
その買い物に出かけた日、オクサマはMOMO naturalでシナ材突板の
ユニットデスクに目をつけた。だけど合計4.0万円ほどで、当初の予算をオーバーしていた。同時にバーチ材で2.5万円程度の机も検討していたのだけれどオクサマは木目と脚のデザインが少しだけ気になるということだった。
安いにこしたことはないのだけれど、机の場合は気軽に買い換えられるものでもないし、高いといってもびっくりするほどでもない。二人で相談し、オクサマの満足を得られるなら差額分の価値はある、と考えて購入した。これで僕の勉強する場所が定まり、本やノートが一箇所に集まる予定だ。買い物もスムーズに30分ほどの検討で終わった。
帰り道、オクサマは言った。
「結婚するとき、一気に家具を買い揃えるつもりだったんだ」「だけど、反対されてちょっとへこんでいた」「でも、時間を掛けてお互いが納得する買い物が出来るようになったし、だんだん買い物がスムーズに行くようになったのがうれしいから、これでよかったんだとも思う」
僕らはそれぞれ小さなこだわりがあるから、その違いを認識出来ないうちに一気に買っていたら、お互いの不満がたまっていたかもしれないね、と話しながら帰ってきた。
僕は予算と機能さえ伴えば、ある程度デザインを妥協しようと考えることが多い。だけど時間と買い物を重ねるうちにオクサマのデザインへのこだわりが理解できるようになった。オクサマも僕が予算のことを主張するのを理解しているので、オーバしているときは確認を取ることを忘れなくなった。
満足いく買い物が出来るようになってきている実感はうれしいものだ。これからも二人で使うものは二人で相談して買うことになりそうだ。