「化粧品補充のために新宿に寄るねー。」
10分後。またもやメールが届く。
「ダンナサマにお財布拉致られてた(T-T)お家帰る……」
前日の夜、食事に行った帰りに、オクサマは財布を僕のかばんに入れたのだが、奥様はそれを忘れて仕事に行ったようだった。
世間一般にはこれを濡れ衣という。
オクサマは僕に電話をかけてきて、僕のへそくり(机の上のむき出しの1万円)を使って買い物に行くことを宣言した。
そして帰りにスーパーに寄って手料理を作って僕の帰りを待っていると宣言した。
僕が知りうるなかで、オクサマが料理をしたのは、この一年半の間、3回しかないのだが、オクサマが手料理を作って僕の帰りを待ってくれているこのシチュエーションは、ちょっと、イイ。
僕は可能な限り早く、遂行中の作業を収束させ、家に帰った。
しかし、オクサマは、寝ていた。
仕事で疲れていたらしく、電話の後に寝てしまったようだ。
そんなことも、ある。
オリジン弁当は、おいしかったよ。